医療的ケア児と親の会 tears

2023年8月26日『知りたい!頑張りすぎない子どもの在宅ケア』挨拶資料より 

 優れた先進医療により多くの命が助かるようになりました。それに伴い、医療的ケア(人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引、気管切開部の管理、胃ろう、腸ろう、胃管からの経管栄養など)を受ける乳幼児が増加しています。生まれてすぐNICUで管理されていた児も、体調が安定してきたら自宅での生活に移行します。そのため、家族は、医療的ケアが継続できるよう入院中に手技を獲得し、在宅での体調管理が行えるよう観察力を高めています。

 子育て交流ぽーとteteは、様々なご家族のピアサポートを通して2022年9月から訪問看護事業を始め、医療的ケア児のご自宅に伺い支援を行っています。訪問するご家庭では、昼夜休みなくご家族によって医療的ケアが行われていますが、それを負担だという方はいません。むしろ、ご家族は、最善のケアができるよう工夫を重ねていたり、ご家族で支え合う場面をよく目にします。ですが、看護的な視点からご家族を捉えると、家族が医療的ケア児の命を預かる責任を常に感じ、気を張り詰め、寝不足と疲労の中で社会的にも困難があるのは明らかです。ご自宅に訪問するからこそ医療的ケア児にご家族がたっぷりの愛情を注いでいることが分かりますが、ときにそれは、医療的ケア児の障害や家族が抱えるさまざまな困難を覆ってしまう力もあるようです。

 2019年に医療的ケア児支援法が成立しました。この法律では、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止のために国や地方公共団体等の責務を明確にしています。医療的ケアを育てるご家族も仕事を辞めることなく安心して子育てができるようにする社会にするための法律です。責務とは、例えば、学校や保育園に看護師を配置して、医療的ケアなどの支援ができるようにすること。日頃の生活の中で必要な支援、相談、情報、支援者を増やすことなどです。各都道府県に医療的ケア児支援センターが設置され、支援体制が構築されることも含まれます。ですが、地域の支援者の立場としてこの成り行きを見ていると、医療的ケア児を育てるご家庭に社会のサポートが届き、児や家族の想いがかなう生活が実現するまで、まだまだ時間がかかりそうだなと感じます。私たちteteとしては、この会のようなピアサポートを通して、在宅で抱えがちなさまざまな悩みやニーズ、社会に向けた要望を表出し、整理し、明らかにしたいと考えております。また、経験者からの在宅ケアについての情報提供を行うことにより、病院から在宅への移行を目指す医療的ケア児やそのご家族、ご家族に寄り添う人、支え手となる看護師などが家庭での医療的ケアを怖がらず、様々な負担が軽減できるよう在宅ケアのイメージアップにつながることを願っています。

一般社団法人子育て交流ぽーとtete
平山 沙知子

※このtearsの会は、令和5年度(公財)フランスベッド・ホームケア財団 第34回助成事業として採択されました。

知りたい!頑張りすぎない子どもの在宅ケア

開催日時
2023年8月26日(土)
9:30~11:00
(受付 9:15~9:30)

会場
新潟ふれ愛プラザ集会室(1階)
新潟市江南区亀田向陽1-9-1

内容
在宅ケアを行う1~2歳の医療的ケアご家族の1日の様子をご紹介します。
全国の医療的ケア児を育てるご家族30組から集まった在宅ケアに対する思いや社会への要望などのアンケート結果を紹介します。

お申込み先
tearsniigata@lino-ohana
会場の準備の都合上、参加予約をお願いします。

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